少資源国、日本では、省エネへの関心は高く、様々な分野で広く実践されています。建築分野では、遮熱塗料(高日射反射率)への関心も高く、国や地方では、これらを積極的に取り入れる動きが見られます。
夏場、直射日光が建物に降り注ぐことにより、表面温度が上がり、建物内の温度が高まります。屋根に遮熱塗料を塗ることで、屋根表面温度を最大-20℃低減することができます。これにより、建物内の温度上昇を抑制し、冷房費の削減につながり節電効果が見込まれます。
遮熱塗料は高日射反射率塗料とも呼ばれ、太陽光のうち近赤外線領域の光線を高反射することにより塗膜ならびに躯体の温度上昇を抑制することのできる塗料です。建物の屋根、外壁に塗装することで室内温度の上昇を抑制し、室内環境の向上と共に躯体の熱劣化を抑制する効果等の期待から近年注目されるようになってきました。
太陽光は、下図のように、紫外線領域、可視光線領域、赤外線領域(近赤外線領域は波長:780~2100nm)の3つの波長領域に分類できます。この内、紫外線は、化学線とも呼ばれ塗膜劣化の原因となります。可視光線は、人間が色として認識できる波長領域です。一方近赤外線は、熱線とも呼ばれあらゆる物質に吸収されやすい波長領域で、吸収された光エネルギーは熱へと変わります。
汎用的な遮熱塗料は、時間の経過と共に遮熱効果は徐々に低下していきます。 原因は、塗膜表面に汚れが付着し、この付着した汚れが熱を吸収することによります。エスケー化研の遮熱塗料はセラミック成分の優れた低汚染効果により、吸熱の原因となる空気中に浮遊するカーボンを寄せ付けません。 これにより、長期に亘り遮熱性能の低下を防ぎます。
クールタイトは汎用塗料と比較して優れた遮熱性能を発揮します。 サーモグラフィーを使うと、温度の差を目ではっきりと確認することができます。赤外線ランプを照射し、加熱後の表面状態を観察すると、最大約20℃の温度差を生じていることがわかります。(色:スレートブラック)
※温度差は色目、立地条件、季節等により異なります。
クールタイトの遮熱性能を評価するため、クールタイト(色目:スレートブラック)及び汎用屋根用塗料(色目:ブラック)を塗付した金属BOXを屋外に設置し、屋根裏の裏面温度及び金属BOX内部温度、外気温を経時で測定した。得られたデータからクールタイトと汎用屋根用塗料とを比較した。 試験は9月初旬の10時~16時。